場面緘黙症の治療方法は?
小さな子供の場面緘黙症の治療には「遊戯療法」という方法が用いられます。
仲間と楽しく遊ばせながら、だんだんと人との付き合いに慣れさせていくという方法です。
それから「行動療法」もあります。
ここでは「系統脱感作」という手法が用いられます。
不安だと思う事を程度の低い順から表にして、最も低い物から想像していきます。
繰り返し想像する事でだんだんと不安が薄れて行くので、
薄れていった所で実際にその場面を体験させます。
ひとつクリアしたら次の段階をやる、という風にどんどんレベルを高くしていきます。
「認知行動療法」もあります。基本的には行動療法と同じですが、
その物事に対してなぜ不安を感じるのかと言った、内面を見ていく事が重視されます。
患者の性格によっては向き、不向きのある方法です。
また、薬が効果を発揮する場合があります。
行動療法やカウンセリングと合わせて使っていきます。
病院での治療も大切ですが、学校や幼稚園の理解・協力も必要です。
親が送り迎えをしたり、放課後に校庭でいっしょに遊んだり、隣の席に親しい友達を配置する、
授業で当てる時は返答しやすいようにする等、
先生、親、医療の専門家が連携して生活でリラックスできるように工夫します。
このようにして社会生活での不安を軽減させて行く事で症状の改善が期待できますが、
特別な治療を受けなくても成長と共に自然に治るという専門家も居ます。
ただし大人になっても完治していない人が社会に出て苦労しているという報道もありますので、
きちんと治療を受けさせるのが望ましいと思います。